特集記事 人生100年時代の老人福祉施設

少子高齢化が進む現代、高齢者の生活を様々な形でサポートし、豊かで価値ある老後を送る場として、老人福祉施設が、様々な場所で運営されています。

特集記事「老人福祉施設」では、TONZAKOデザインが考える新しい老人福祉施設の未来像について、ご紹介したいと思います。

そして、老人福祉施設の種類やサービス内容、建設費用など、皆さんが気になる老人福祉施設の情報を整理して、老人福祉施設の建設をご検討中の皆様に、お届けします。

Contents (記事内容)

  1. 高齢者が活躍できる老人福祉施設
    1. 循環型の暮らしをもう一度
    2. カーボンニュートラルの時代に生きがいをつくる
  2. これからの老人福祉施設はつなぐデザインだ!
    1. デザイン×福祉
    2. 大地・人・地域・思い出とつながる生きがい
  3. 老人福祉施設を建設・運営管理するために
    1. 老人福祉施設の種類
    2. 有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅のサービス内容と入居者の相場
    3. 建設整備費用、坪単価ってどのくらい?
    4. 老人福祉施設の設置、整備に対する補助金制度の活用

高齢者が活躍できる老人福祉施設

循環型の暮らしをもう一度

ひと昔前までは、人々の暮らしには生きるための様々な知恵と技がありました。

自給自足という言葉の通り、食べ物は自分たちでつくり、燃料や水といった資源も必要な分だけを使い、道具なども何度も再利用することで持続的な循環型の暮らしが営まれていました。

しかし、高度経済成長期に入り、大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会に一変し、循環型の暮らしは古いと、積み重ねてきた人々の生活の知恵は忘れられていきました。化石燃料や海外資源への転換、依存など、環境への影響を考えない行動は、現在、地球温暖化や気候変動といった環境問題を引き起こしています。そして私たち自身もこのような経済至上社会に依存した結果、生きる力や暮らしの知恵を失いかけているかもしれません。

カーボンニュートラルの時代に生きがいをつくる

これからの時代は、カーボンニュートラルの時代へと進んでいきつつあります。

大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会は終わり、もう一度、ひと昔前まで営まれてきた循環型のライフスタイルが見直されています。

高齢者の方々が、小さいころから培ってきた暮らしの知恵と技が、21世紀の最先端技術として注目されています。老人福祉施設もこれからは、いろいろな人生経験を経て、老人福祉施設への入居をされる高齢者の方々が、精神的、社会的活動を含めた総合的な活力、生きがい、満足度など、質の高い生活を送れる場としていくことが大切であると考えています。

高齢者の方々が老後も最先端で活躍できるようになれば、生きがいが生まれ、健康寿命も延びるでしょう。健康寿命は健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間です。長く健康でいられることは、高齢者の方々だけでなく、介護する側の人々の負担も減ります。老人福祉施設が循環型の暮らしを取り入れたサービスを展開すれば、入居される高齢者の方々と働く介護士の方々、双方がハッピーになるでしょう。

これからの老人福祉施設はつなぐデザインだ!

少子高齢化が進む現代、高齢者の生活を様々な形でサポートし、豊かで価値ある老後を送る場として、老人福祉施設が、様々な場所で運営されています。

日本には本当にたくさんの種類の老人福祉施設があります。高齢者の方々は、その中から自分に合ったサービスが提供されるところを選ばれています。

つながることで感じられる生きがいをデザインで実現し、高齢者の方々に質の高いサービスを提供します。

“デザイン×福祉×循環型ライフスタイル”

TONZAKOデザインが考える新しい老人福祉施設の未来像について、ご紹介したいと思います。

これからの老人福祉施設は、健康的な生活を送ることに加え、QOLの高いサービス提供が必要となってくるでしょう。

いろいろな人生経験を経て、老人福祉施設への入居をされる高齢者の皆様が、身体的、精神的、社会的活動を含めた総合的な活力、生きがい、満足度など、質の高い生活を送れる場としていくことが大切であると私たちは考えています。そのヒントになるのが循環型のライフスタイルです。

大地・人・地域・思い出とつながる生きがい

1:大地とつながる ~土とふれあえる環境~

屋外での適切な運動は、心と体の健康を保つために大切です。太陽の下で、農・園芸などの活動を行うことで、大地とつながる生きがいを提供します。

近年、海外では「ガーデンセラピー」や「ケアファーム」が注目され始めています。

介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、入居型の施設を利用する高齢者の方に向けて、ガーデンや畑など土とふれあえる環境をつくります。自分たちの食べ物を自分たちで作る。自給自足の今までの生活の知恵、技術が生かせるライフスタイルです。

■ガーデンセラピー

入り口から広がる華やかなガーデンは、入居者の方だけでなく、働くスタッフや訪れる人の心も癒します。車いすでも花にふれ、鑑賞できることができるレイズドベッドも各所に配置します。

■ケアファーム

畑では自分の好きなものを育てられます。農作業を通じて、身体を動かしたり、収穫した作物が市場に出る喜びを味わったりできます。

土にふれ、植物が育つ様子を毎日見ていると、新しい発見があり、認知症対策やうつ、不安の軽減につながります。

■アニマルセラピー

住居するタイプの老人福祉施設では、動物を飼ったり、ペットを連れて入居したりすることを禁止している事業所がほとんどです。しかし、犬や猫などペット同伴での入居が可能な特別養護老人ホームなど、動物と暮らすことができるサービスを始めている施設もでてきました。

アニマルセラピーという言葉があるように、動物とのふれあいの中で人は癒しを感じます。特にペットは家族同然で、入居後も世話を続けることで、高齢者の方自身も生きがいを持つことができます。また、スタッフの離職率低下につながるともいわれています。

畑の横でヤギを飼って、草刈りをしてもらうというのもいいですね。

2:人とつながる ~人が集まる環境~

老人福祉施設に入居すると、どうしても人との関りが少なくなります。家族や友人が遊びに来られる、にぎやかで楽しい環境をつくることが大切です。人と話したり、コミュニケーションをとったりすることは、暮らしの中での生きがいになります。

■サロン

地域の人も集うサロンを定期的に開き、交流広場でお茶をしたり、ガーデンを眺めたりしながら過ごすことができます。地域の中で多様な交流を育むことで、地域に愛される場、人々になっていきます。

■野菜や花の直売イベント

畑で収穫した野菜や、ガーデンで摘み取った花を販売します。定期的に直売イベントを開催することで、買い物にくる地域の人とのつながりが生まれます。

■地域の産直市

施設の交流広場に、地域の特産品を販売する産直市を開く場をつくります。施設に出入りする地域の生産者の人たちと仲良くなり、野菜の育て方の相談や世間話などいろいろな会話ができ、毎日の楽しみが生まれます。

3:人生とつながる ~思い出に囲まれた環境~

思い出など人生とつながる生きがいをつくりたいと考えています。グループホームなどは、どうしても1床あたりの面積が小さくなってしまいます。思い入れのあるものを入居時に施設に持ってきても収納場所がないということが起きるのは悲しいです。入居者のみなさまがたくさんの思い出の品に囲まれた暮らしを実現するためのお手伝いができればと思います。

■思い出押し入れ

入居者のみなさま各人が思い出の品を大事に保管したり、飾ったりできるような押し入れ収納を確保します。そして施設に入ってからも、新たに贈り物やつくったものなど思い出の品が増えていくことを願っています。

■特技を生かした教室展開

これまでの人生の中で身についた特技を、若い世代の人たちに伝える場所と機会を設けます。手作り教室や昔からの伝統的な日用道具、料理教室などさまざまな内容のプログラムを展開します。

■出前出張

施設で行う教室のほかにも、外へ出て小学校や地域のコミュニティセンターなどで出前授業を行うことも今後の展開として考えられるかもしれません。個々人の手業や特技を地域に伝え、文化として残していくことが大切ですね。