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【後編】一期一会の感動が 今まで以上に大切だと思えるようになった。倉方志磨インタビュー

交流・景観・建築デザインの力で“感動”を演出するために、企画から事業計画・運営までトータルにプロデュースしている株式会社TONZAKOデザインが贈る、仕掛け人インタビューのコーナーです。まずは、TONZAKOデザインのメンバーのインタビューからスタートします。仕掛け人たちと共に、感動体験をつくるメンバーたちの個性を感じとっていただけたら幸いです。

クリエイターインタビューNo.4(後編)

「ランドスケープデザイン」の松崎氏と倉方氏、「建築設計」の山田氏、「事業デザインから施設運営」の小森氏。その4人が5人の仲間と立ち上げたTONZAKOデザイン。まだ設立1年だが、いろいろな相談が持ち込まれています。そこには言葉にできない不思議な魅力があります。その魅力を探るべく、立ち上げメンバー4人の経歴や考え方、何を考え、どこに向かおうとしているのか?また、プライベートをお届けします。

ネイチャークリエイター 倉方志磨 Shima Kurakata[後編]

取材日:2020年6月8日

後編~目次~
行政のためになっているけれど、地域のためになっているのかなぁ?って思ってしまう。
一応役員ですが、成り行きでこうなっている状況で(笑
三密で繋がれなくても、人は交流したいんだなぁと。自分が考えていた以上に。
「クリエイター」って「レクリエーション」と関係がありそうだなぁと思うんです。
ちょっと手を入れたら、気持ちいい森になりそうだなあっていう場所があるんです。

行政のためになっているけれど、地域のためになっているのかなぁ?って思ってしまう。

仕事の中には「クライアントのためにはなっても、利用者のためになってるのかな?」と考え込んでしまうものも色々ありました。モヤッとした気持ちが少しずつ膨らみ、ズレが次第に大きくなっていったような気がします。

前職を退職した今、暮らしている田舎では、シャッター通りになりかけの所や、農地では耕作放棄地が増え景観的に荒れてみえるような所があります。地域活性化に取り組む動きもあるのですが、動きを興すのは大抵都市部からの移住者が多いように思います。問題意識と、何よりこの地域の良さに気づいて取り組んでいくのですが、住んでいる人は必ずしもそれほど問題と思っていない……、謙遜かもしれないけど、地域の良さも感じていない。スタート時両者には大きなズレがあり、互いの認識を摺り合わせるのには時間と労力が必要です。でも時間がないから、せっかくの活性化の動きが空回り、みたいな事が起こっています。

一応役員ですが、成り行きでこうなっている状況で(笑

TONZAKOデザインに入った理由は、新人時代にお世話になった松崎さんに誘われて。その数年前に、父の病気がきっかけで実家の家業を手伝うため退職していました。退職後はフリーランスとして同じような仕事を請け負ったり、実家の経理をしたりしていました。

小森さんと出会ってからは、松崎さん同様二十数年になります。前職で部署も事務所も違ったので、一緒に仕事をしたことはありませんが、はっきりと残っている印象は、さわやか青年、だけど「痛風の人」(笑)。営業時代に色々と大変だったのだろうと察します。

山田さんと知り合ったのはTONZAKOデザインの発足がきっかけです。でもそれ以前から知っているような気になっています。それは松崎さんの話に、山田さんの話題がよく出てきていたから。松崎さんが夢の話をすると、山田さんの名前がよく出ていました。

私とTONZAKOデザインは成り行きの関係と言いましょうか(笑)。表向き「4人でTONZAKOデザインを発足した」ようにみえ、今回スタートした仕掛け人インタビューコーナーでも初っ端メンバーに混ぜていただいてますが、申し訳ない気持ちに。私、いい加減な人間なもので。3人のような熱量を持ち合わせてなくて申し訳ない。

松崎さん、山田さん、小森さんの3人には、仕事への強烈な情熱とブレない軸があります。この3人だからこそ生まれる唯一無二の仕事が、近々起こるのではないかと思います。伸びしろや可能性はいっぱい感じています。そこに私が入るのはおこがましく、TONZAKOデザインは3本柱という気がしていますね。

私としては仕事にどっぷりではなく、伊那の田舎暮らしで自分自身を満足させたい。これは完全に私のわがままですが。他の皆さんと同じペースで仕事できないという事情で、事務的な事をメインで担当しています。メインは総務や経理で、ランドスケープのお仕事は補助的な役割と捉えています。

三密で繋がれなくても、人は交流したいんだなぁと。
自分が考えていた以上に。

“コロナの影響”について、これからどうすれば良いかという答えまではたどり着けていません。最近それを考えるヒントを地元の広報誌で見かけ、印象に残っています。内容は、人は密閉・密集・密接に繋がらなくても、「誰かと親密に交わることができる」という記事。人はやっぱり、誰かと繋がりたい、交流することを求めていると。例えば自粛期間中にクラウドファンディングを多く見かけましたが、支援を通じてより深い結びつきを感じることが出来るんだと気づかされました。家にいても心満たされる繋がりを持てるんだなぁと。繋がる方法は他にも色々あるのかもしれない。

私達は今まで当たり前のように「いかに人を集めるか」ということを念頭に置き、集客施設づくりを考えてきましたが、その考えを改めるべき時と思っています。次に人々が集まる時は、今まで以上に価値ある機会になりそう。より一期一会を意識するようになり大きな感動が生まれそうです。とにかく人々の考え方が今までとはすっかり変わってしまったと思います。

「クリエイター」って「レクリエーション」と関係がありそうだなぁと思うんです。

「クリエイター」とは何かを考える中で、他の方にも聞いてみたいと思った話題があります。それは、クリエイター(creator)、クリエーション(creation)、レクリエーション(recreation)の関係について。クリエーションの意味を調べると創作や創造と出てきます。それに対してレクリエーションは、余暇やレジャー、娯楽といった意味。レクリエーションは“Re・creation”とも解釈できてその意味は再創造になります。

ふと考えてみると、レクリエーションは日常を離れて自分をリセットし、もう一度出直す、リフレッシュすること。クリエーションもレクリエーションも結局はリセットしてもう一度作ることを意味するのではないかなと思います。クリエイターとは、何かをつくる人と捉えがちですが、物を作る人というより、作り直す人。クリエイターが提供するのは物だけではなく、リセットする過程や体験なのかもしれない。それが、誰かにとって心が洗われるような感動体験となったなら、次また頑張ろうって思える時間となったなら。そんなクリエイターになれたらいいのかもしれない。

将来TONZAKOデザインでできたらいいなって個人的に思っているのは、直営の集客体験施設。地域の人達が色々なことを体験できる場で、それが私達の職場、ということがやれたら面白いと思います。

こちらが企画した体験プログラムを提供するような一方通行じゃつまらないので、利用者と相互交流になるような何か。みんなが集まれる拠点を持って、そこから色々と派生できれば面白そうです。内部で「廃校を買いたいね」っていうこともよく話題になります。みんなの職場であり、宿泊施設であり、学校であり、みたいな場所になったら面白いかなって。

ちょっと手を入れたら、気持ちいい森になりそうだなあっていう場所があるんです。

最近、プライベートで夢中になっているのが、家の裏山整備です。地域は過疎化が進み、耕作放棄地がいっぱい。みんな高齢化して森の中に入らなくなり、森は暗くて荒れた状態になっています。少し手入れをするだけで、明るい森や楽しい道が復活しそうなのに……。そんな訳で集落が共同所有している場所を、夫と少しずつ手入れさせてもらっています。

「間伐した木を山に転がしてあるから、持ち帰って薪にしていいよ」と集落の人に言われ、お言葉に甘えてせっせと木を持ち帰っています。倒木を整理して広くなった山で、次は松茸を育ててみたいな。季節の花はもう咲いたかな。終わったかな、早く見に行かなきゃ。そんな風に毎日気になってしまい、仕事してる場合じゃありません(笑)。

裏山に生い茂る下草を刈ってみると、昔の道があらわになります。少し手を入れるだけで、遠くにアルプスの山々が見える、気持ちの良い遊歩道になりそう。腰掛けを置けばティータイムを楽しめるかも。以前は仕事としてでしたが、今は自分の楽しみのために山の整備ができたらいいなと思っています。

取材:川北睦子

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