中国の雲南省、有数の観光地にもなっている世界遺産の麗江古城。灰色の瓦屋根が連なることでできる眺めはやはり世界遺産、壮観です。
眺望からではわからないのですが、麗江古城は、中国国内でも早い段階から観光化が進んだ地域でもあるため、過度といえる観光化が進んでいます。
世界遺産、といえば昔から連綿と続く古い町並みで、観光的な演出や装飾がなされていないと思って訪れると、その派手な装飾の数々に驚かされるかもしれません。
路地のような細い道の両側には土産物店が立ち並んでいるのですが、民芸品として太鼓を売る店からは太鼓の音が聞こえてくる他、飲食店の客寄せとして等身大の人物模型や大型のインコがいたり、はたまた夜になると七色の光で彩られるなど、本当にここは世界遺産なのかと思えてくるほどの演出が出迎えてくれます。
一概には比較できない要素が多く関わってきますが、色々な国の景観を並べてみると、景観と人との関わりについては国民性や空間の使い方など、景観としての美しさと使い方には簡単に解決できない課題が山積みになっているように思います。
世界遺産の村、白沙村へ
麗江古城からバスで20分程度の所に白沙村はあります。
麗江古城、束河村と合わせてユネスコ世界遺産に登録されている村、玉龍雪山と呼ばれる納西族の信仰の対象となっている山脈を望む位置にある集落です。周辺には農地の残っており、麗江古城と比較して観光化の影響がまだ少なく、落ち着いた雰囲気のなかで散策を楽しむことができます。
白沙村には絞り染めの布を売る店が多く、集落のあちらこちらで一面に広げられた光景を目にすることができます。
店舗毎に似通ったデザインではあるものの、手作業のため多少の違いがみられるのが面白いです。麗江古城を訪れた際には白沙村にも足を運び、気に入った柄の布を購入するのが密かな楽しみでもあったりします。
地場産業と町並みを考える。
麗江古城では従来、納西(ナシ)族などの少数民族が多く暮らす街であったとされますが、漢民族による流入が社会的な問題となり、景観や文化の存続の在り方について議論が続けられています。
観光化、特に過度な町並みの演出と民族がどのように関係しているかは調べないといけませんが、麗江古城でも白沙村の景観のどちらも、地場の経済活動が直接的に景観要素として現れ出ている点は共通していると思います。
場の担い手により彩られた町並み。皆さまはどのような町並みに価値を見出しますか?
最後に訪れたのは2017年のため、麗江旧市街、同様にここ白沙村の町並みも大きく変貌を遂げていることでしょう。また訪れる機会をつくって、どのような変化が生じているのかを見にいけたらと思います。
Written by 人見