8月に入って、マイマイガもひとしきり産卵を終え、力尽きた成虫が地面に落ち、風に転がされているのを見かけるようになりました。脅威のマイマイガ大量発生騒動、今年はようやく収まったというところでしょうか。
そこで、お盆期間中、我が家の敷地内に産み付けられた卵塊一斉駆除に取り掛かりました!
いざ、マイマイガ卵塊駆除!必要な道具と装備は?
道具は、多くの自治体で駆除方法としてお勧めされているペットボトル製捕獲器と、かき取る道具、手ボウキを準備し、鱗毛を吸い込まないようマスクを着用しました。
ペットボトルは、角型のものが一般にお勧めされているようですが、卵塊が壁などにかなりしっかり密着しているようなので、力をかけて、しならせながらそぎ落とすイメージで、あえて丸型を使用。平行にカットと斜めにカットの2タイプを作りました。
かき取る道具はペットボトル捕獲器が入らない隙間に産み付けられた卵塊を取るためのもの、手ボウキは取った後に残る卵塊のカスを掃除するためのものです。
卵塊をそぎ落とすと、覆っているフェルト状の鱗毛がフワフワと飛散するため、マスクとメガネ(ゴーグル)の着用は必須です。鱗毛はかぶれる恐れもあるとのこと。手袋をつけ、帽子、長そで、首回りはタオルを巻くなどの完全装備をお勧めします。
産み付けられている場所の傾向
今回、自宅の建物に付着していた卵塊のうち64ヶ所、駆除することに成功!!見つけた卵塊の分布をみると、北面7ヶ所、南面7ヶ所、東面8ヶ所に対し、西面42ヶ所と、不思議なことに、建物の西面で特に多く見つかりました。
また庭木では、食害が著しかったカキノキやサクラでは一つも見つからず、やはり建物の西側にあるマツ(8ヶ所程度)とカイヅカイブキ(14ヶ所程度)にのみ、産み付けられていました。
他の場所でも同様の傾向はみられるのでしょうか?マイマイガのメスは日没後1時間のみ飛翔し、産卵場所を探すようですが、日が落ちる方向、西日に何か関係しているのでしょうか?
ちなみに、樹木に見つかった卵塊は、取りにくい場所にあるため、春までの剪定の際に取り除くことにしました。
処分の前に、マイマイガ卵塊を少々観察
捕獲した卵塊は、燃やすごみとして処分するようにと地元自治体から指導されてますが、その前に少し観察を。室内に鱗毛を舞わせながらの作業、同居人には心底呆れられました。
卵塊を覆う鱗毛には色の濃淡あるようです。ひっくり返すと、ツヤのある無数の粒がびっしりと!
せっかくなので、標準的な大きさの卵塊を5ヶ選び、卵の数を数えてみました。卵は、直径1mm程度で硬く、ピンセットでしっかりつまんでもつぶれません。
サンプルに選んだ卵塊5ヶは、縦横比は異なるものの概ね同等のサイズでしたが、中の卵の数は、300~800個弱と幅がありました。平均555個、捕獲した卵塊64ヶと掛け合わせると、35,520匹。仮に、ふ化して成虫に至るまでの生存率1%余り※として、35,520×0.01≒355匹 駆除したことになります。食害による影響を考えれば、幼虫(最終齢)までの生存率での計算になるため、もっと多いと思われます。
そもそも大量発生現象が、気象条件など何らかの要因で生存率が高くなり起きているのであれば、さらに多くのマイマイガを駆除したことになりますね。
(※生存率については、元データまでたどり着けていませんが、「かねやま普及所活動日誌!(https://kaneyama.exblog.jp/22336520/)」にまとめられている情報を拝借し計算しました。)
次の春を迎えるまで卵は動き出しません。今年、大量発生で不快な思いをした地域の皆さん、暑い夏が終わり、涼しい風が吹いてきた頃、せめて生活に身近な範囲の卵塊駆除にチャレンジしてみませんか?卵塊の数を数えながら捕獲し、何匹分駆除できた!と計算してみてると、ささやかな達成感を味わうことができますよ!
高遠地域(長野県伊那市)のマイマイガ発生状況
ちょうど何ヶ所か高遠地域内をウロウロする機会を得て、そこでの発生状況を見てみると、スーパーなどの日暮れ後も明るいスーパーやコンビニの周りだけでなく、裏に山(樹林)を控える公園や寺社などでも、大量発生したのだと分かる痕跡を確認できました。
これは到底人間の力ではどうすることもできない!自然界の生態系の力を信じて終息を待ちたいと思います。
Written by 倉方