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『コーヒーブレイクで働き方改革』

“コーヒーかす(コーヒー抽出残渣)”の活用法 ~防草効果を試す~

 ヒンヤリした秋の空気が心地よい季節になりました。

 旺盛だった庭や畑の“雑草”たちも、ようやく勢いが収まってきたように思います。

 夏場の雑草管理(草刈り、草むしり)って、本当に重労働ですよね。

 刈っても刈っても、抜いても抜いても、生えてくる。

 今回は、そんな雑草管理の負担を減らすことができるかもしれない!お話です。

 コーヒーでちょっと一息つきながら、おいしい小話をどうぞ...

ドリップ後のコーヒーかす、どうしてますか?

 私はよくコーヒーを飲みます。平日は専らインスタントですが、週末は豆を挽いてドリップで飲むようにしています。

 そこで、どんどん溜まっていくドリップ後のコーヒーの粉「コーヒーかす」。我が家では、乾燥させた後、コンポストに混ぜこぜにして、堆肥化しています。

 その活用ももちろん悪くないのですが...。

「コーヒーかす」の成分特性と農業・園芸利用

 「コーヒーかす」の農業・園芸方面での活用について調べてみると、「コーヒーかす」の成分やその特性として、以下のようなことが挙げられています。

○「コーヒーかす」の成分(乾燥前):水分 65% 炭素 18% 窒素 2% リン酸 0.2% カリ 0.3%

○「コーヒーかす」に含まれる窒素は、微生物によって分解されにくい構造になっている。そのため、多量にそのまま土壌に混ぜ込むと、発酵過程で逆に土壌中の窒素を消費し、植物が肥料不足になる(窒素飢餓)

○「コーヒーかす」に含まれる窒素成分の多くは、難溶性で植物に利用されにくい。

○「コーヒーかす」は、発芽阻害・生育阻害物質(カフェイン、ポリフェノール)を含んでいる。

○「コーヒーかす」の粒子は、炭のような多孔質の形態をしている。

 こうした性質から、植物の生育上、そのまま使うには問題がありますが、十分な堆肥化を行うことで、その問題は解消されます。さらに「コーヒーかす」の多孔質の粒子は微生物のすみかとなり、通気性や透水性を改善する、良質な土壌改良材に生まれ変わります。

 この「コーヒーかす」の特性。逆手にとって、植物を生育させたくない場所では、防草効果が期待できるのでは? どの程度の効果がでるのか、試してみました。

「コーヒーかす」の防草効果実験

 実験区は、50cm×50cm、10cmの深さで耕した区画を2つ設け、一方にのみ、「コーヒーかす」(約650g)を混ぜ込みました。

「コーヒーかす」の防草効果実験

 結果は、想像以上に顕著な内容でした。「コーヒーかす」を混ぜ込んだ土壌では、実験開始から1か月後も、ほとんど植物が生えず、生えた植物も成長が抑制されていました。また、多孔質の性質のおかげか、地表面の乾燥が早いということも興味深い結果でした。

 草が生えにくい、地表面が乾きやすいという、この利点。土面の園路などで、活用しない手はないと考えています。

 「コーヒーかす」の防草効果は、研究論文によると、半年~1年程度。その間に、生育阻害要因となる物質は分解され、むしろ通気性・透水性がアップした、植物の生育にとって、適した土壌環境に整えられます。

※『農作物成長促進、雑草防除および土壌改良用のコーヒーかす施用の圃場評価』 UCC上島珈琲株式会社・近畿大学農学部による共同研究, Plant Production Science,17,93-102(2014)

 防草効果を維持し続けるには、定期的にコーヒーかすの混ぜ込みが必要ですが、草刈り管理の手間を考えれば、大したことありません!

 今回は、たまたま手元に溜まっていた「コーヒーかす」の全量を使用したため、1m3あたりに換算すると26kgという、おそらくかなり高濃度の「コーヒーかす」を施用しました。来年はどの程度で効果が得られるか、適量を探るための実験を行ってみたいと思います。

 あなたのコーヒーブレイクが、誰かの「働き方改革」に?! そんな素敵なループ、つなげていきませんか?

参考:

神奈川県農業技術センターHPより

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/cf7/cnt/f450009/p581303.html

UCCの研究活動サイトより

https://www.ucc.co.jp/company/research/future/residue.html

田舎センセイによる田舎暮らしでの悩み解決情報サイトより

Written by 倉方

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