特集 世界の目標SDGs、企業のCSRとESG、消費者のエシカル消費をわかりやすく解説 #2

CSR、CSVとESGの違い

SDGsやCSR、ESG、エシカル消費などの言葉が、マスコミや雑誌、インターネットで飛び交っています。何となく同じような文字の羅列で、違いが分かりにくいなと思います。

しかも、その取組みは何をすればいいのか?何から始めないといけないのか?になると、さらに難しくなってくると思います。

SDGsやCSR、ESG、エシカル消費の言葉の意味とそれぞれの関係性について、整理し、取り組み易い事例を紹介します。

CSRとCSVは「自発的」とESGは「外圧」

CSRとは

企業はこれまでに公害問題や粉飾決算など、様々な問題を起こしてきました。

こうした経験から消費者、投資家、社会全体などのステークスホルダーに対する適切な意思決定を行い、倫理的観点から自主的に社会貢献するCSR(企業の社会的責任:Corporate Social Responsibility)が強く意識されるようになりました。

CSR活動は、一般には本業の利益とは直接結びつかない寄付やボランティア活動などを企業が自主的に行うものです。

これには、法令順守やステークスホルダーに対する説明責任を果たすことも含まれます。

このように、CSRは、企業が自主的にお金や時間を使って「善きこと」を行うといったイメージが強くなっています。

CSVとは

CSRと似た言葉に、世界的な経営学者M・ポーターが提唱したCSV(共有価値の創造:Creating Shared Value)があります。

CSVとは、企業が「社会的問題や課題」に対して、「利益」も考慮しながら、その解決に向けた取り組みを自主的に行うものです。

相容れないと考えられていた「利益」と「社会貢献」の両立を目指します。「社会的問題・課題解決のビジネス化」ともいわれます。

ちなみに欧州では日本で「CSV」とされるものも「CSR」と表現されることがほとんどです。CSRが時代の変遷を経て、CSVと同義と捉えられているからです。

ESGとは

2006年4月、当時の国連事務総長であるコフィ―・アナン氏は、機関投資家に対して、6原則からなる責任投資原則(PRI :Principles for Responsible Investment)を発表しました。

責任投資原則(PRI)の第1原則は、「私たちは、投資分析と意思決定のプロセスにESGの課題を組み込みます」です。機関投資家に、ESGの視点を持って、投資対象を選定することを強く求めました。

簡単に言えば短期的な利益優先で乱開発する企業や途上国の労働者から搾取する企業ではなく、ESGの観点を踏まえた長期的な利益創出を狙う企業への投資を促したものです。

ESG(Environment、Social、Governance)は、環境、社会、ガバナンス(企業統治)を示します。

「環境」:

  • 地域の環境を保全することは企業が立地する場所の環境が持続可能で安定的なことを示します。

「社会」:

  • 労働環境が健全なことは、社員が継続的に会社を支えることにつながります。

「ガバナンス」:

  • 法令や企業倫理を順守した企業は消費者からも他の企業からも継続的に応援されます。

つまり、ESGを重視した企業は、持続可能な経営を行っているという判断になり、投資家にとって長期的な投資対象となります。そのため、資本が集中しやすくなり経営環境が良化します。

こうした投資をESG投資と言い、投資家の全体に対するESG投資の比率は年々増加しつつあります。

CSR、CSV、ESGが目指すのは持続可能な社会

従来のオールド型資本主義では、企業は環境負荷の低減をコスト要因と考えがちでした。しかし「ニュー資本主義」的な発想といえるサーキュラー・エコノミー(CE:循環経済)では、リサイクルに留まらず、廃棄物を出さずに資源循環をしながら利益を生み出すビジネスモデルを構築して経済成長との両立を目指す時代へと移り変わってきています。

SDGs、CSR、CSV、ESG、CEなど色々な言葉がありますが、いずれも目指すのは「持続可能な社会」の実現です。


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